呼吸する
人は「生命」の気配を感じられるものに惹かれる。
石という素材が、人ないし生き物ように脈打ちあたかも呼吸しているかのように映るとき、人の目を奪うことができる。
鑑賞者が作品と一秒でも長く時間を共有し、言葉をつむぎたくなる場をつくりたい。
石といえば、墓石、漬物石、河原の石、石ころ…どれもあまり身近なものではありません。
そのせいもあって、作品に関心を持たれる方が少ないのではないでしょうか。
ではどんな形であれば人の目を引くことができるのかと考えたときに、無機物が生き物のように見える瞬間をつくろと思いました。
石で生き物をつくるのではなく、「石を生き物のようにつくろう」と思いました。
生物の定義を石に当てはめるのではなく、無機物が生き物ように息づいている様子を思い描きました。
いつも視界の隅で形を変化させ続けているのではないか、という予感を与えることができれば、
動かないはずの無機物に対して視線を向ける鑑賞者の数は増えるのではないでしょうか。
いわば、「立体版錯視」ともいうべき作品です。
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【サイズ】
高 40 × 幅 12 × 奥 20 (cm)
【素材】
花崗岩 真鍮
【制作年】
2019
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